皆さんも自分の好きな映画やドラマの世界に入り込んで主人公の気分を追体験したいと思ったことはありませんか?
好きな映画の舞台やロケ地を巡ってそうした気分を味わうことは個人旅行でしかなかなかできません。
これまでも旅行を計画するときのメインテーマの一つとしてきました。そうした中でも特に印象に残った場所をエリア別に紹介する3回目です。

今回はアメリカとカナダの東部エリアでの体験を紹介します。ヨーロッパからの移民が最初に到着したエリアで、文化的な要素と自然がほどよくバランスしています。具体的な場所は以下の地図を参照ください。
-1024x620.png)
プリンスエドワード島 ~ 映画「赤毛のアン」
最初は1986年に公開された”世界で愛読されているルーシー・M・モンゴメリーの小説を映画化した赤毛のおさげ髪の孤児アンの成長物語「赤毛のアン」”の舞台となったカナダ東部のプリンスエドワード島です。(1992年訪問)
映画の舞台のグリーン・ゲイブルズはプリンスエドワード島の州都シャーロットタウンの空港から40km程の場所にあります。
物語は育ての親となるカルバート兄妹の兄マシュウがアンとブライトリバー駅でで出会うところから始まります。


ブライトリバー駅は架空の駅ですが、モデルとなった駅には諸説あるようです。(鉄道は既に廃線となっています。)
.jpg)


赤毛のアンの舞台・アヴォンリー村のモデルで作者モンゴメリの故郷でもあるキャベンディッシュの町には物語の世界が再現した再現されています。


家の内部も物語の世界に沿って再現されています。




家そのものだけでなく周囲でも物語の世界を満喫できます。


この地には作者ルーシー・M・モンゴメリーの史跡も残っています。


「赤毛のアン」の世界以外でも、プリンスエドワード島は”世界一美しい島”と呼ばれておりのどかな風景が広がっています。


また、州都シャーロットタウンの劇場では「赤毛のアン」のミュージカルが現在でもロングランされています。


島全体が物語の雰囲気を湛えた美しい所ですので、「赤毛のアン」のファンはもちろんとしてそうでなくても十分楽しめると思います。
<映画情報>
赤毛のアン(原題:ANNE OF GREEN GABLES) 1986年
監督 ケヴィン・サリヴァン
出演 ミーガン・フォローズ、コリーン・デューハースト、リチャード・ファーンズワース
ボストン ~ 映画「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」
次は1997年に公開された”心に傷を負った天才青年と失意の中にいた精神分析医の心の交流を描いた傑作ヒューマン・ドラマ「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」”の舞台となったマサチューセッツ州のボストンです。(1993年訪問)
ロケ地となったボストンの中心地は最寄りのジェネラル・エドワード・ローレンス・ローガン国際空港から6km程の場所にあります。
ボストンの街並みは歴史を感じさせる建物が並んでいます。

映画のポスター等に使用されている主人公の青年ウィルと精神科医ショーンがベンチに座って話している場面は市の中心地のパブリックガーデンで撮影されました。


ベンチに座ってこの池を眺めながらウィルが悩みを打ち明ける印象的なシーンは映画のハイライトの一つです。
彼らの背後に映り込んでいたのがこの公園のシンボル「ジョージ・ワシントン像」です。

もう一つの公園のシンボル「カモの親子の銅像」は”Make Way for Ducking”(この公園を舞台にした童話)を記念して作られたものです。


この公園の雰囲気は映画作りに合うようで、映画「テッド」シリーズでもクマのぬいぐるみテッドと相棒がこの公園のベンチで話しているシーンが使われています。
ウィルがアルバイトで働く大学はボストンに隣接する大学都市ケンブリッジが舞台です。

近くにはウィルのガールフレンド、スカイラーが通うハーバード大学もあります。

ボストンはアメリカ建国の歴史に関わる都市であり、映画の舞台以外にも見所はたくさんあります。






名作映画の雰囲気を味わうだけでも十分ですが、ボストンの町も魅力的なのでお勧めの訪問地です。
<映画情報>
グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち(原題:GOOD WILL HUNTING) 1998年
監督 ガス・ヴァン・サント
出演 マット・デイモン、ベン・アフレック、ロビン・ウィリアムズ
ナイアガラ・フォールズ ~ 映画「ナイアガラ」
次は1953年に公開された”マリリン・モンローがモンロー・ウォークを初披露して話題となった、ナイアガラの滝を背景に男女の愛憎ドラマをスリリングに描いた映画「ナイアガラ」”の舞台となったカナダ・オンタリオ州のナイアガラ・フォールズです。(1990、92、95年訪問)
ナイアガラは世界有数の観光地なのでいろいろな行き方がありますが、カナダの大都市トロントのピアソン国際空港経由で行くのがが便利だと思います。
この映画の見所は、内容に加えて観光スポットとしてのナイアガラの滝の魅力を余すところなく紹介しているところです。



この映画では2件の殺人が起こりますが、その舞台となるのがこちらです。
<1件目の殺人> 滝の観光用トンネル

<2件目の殺人> カナダ~アメリカ国境にあるベルタワー

クライマックスシーンは船が滝に向けて流される場面ですが、追体験をするために「霧の乙女号」に乗って滝つぼに近づきます。





映画としてはストーリーより主役ではないマリリン・モンローが目立つ作りになっていて必見とは言えませんが、映画の舞台ということを抜きにしてもナイアガラの滝は必見だと思います。
近くにあるナイアガラ・オン・ザ・レイクではオンタリオ湖に面した18~19世紀の建物が並ぶ美しい街並みをみることができます。


<映画情報>
ナイアガラ(原題:NIAGARA) 1953年
監督 ヘンリー・ハサウェイ
出演 ジョセフ・コットン、マリリン・モンロー、ジーン・ピータース
ランカスター ~ 映画「刑事ジョン・ブック 目撃者」
次は1985年に公開された”文明と距離を置いて暮らすアーミッシュと殺人事件を捜査する刑事との人間ドラマを描いた映画「刑事ジョン・ブック 目撃者」”の舞台となったペンシルヴェニア州のランカスターです。(1992年訪問)
ランカスターはフィラデルフィア国際空港から西へ100㎞ほど走ったところにあります。
映画の大半はアーミッシュの村で展開しており、その生活ぶりも忠実に映像化されています。



アーミッシュの人々はドイツ系のキリスト教徒の移民で、移民当時の18世紀の生活様式を守ることを主義として、電気を引かず自動車を使わず自給自足を基本に質素な生活を送っています。
アーミッシュの人々の生活を紹介するツアーに参加しました。






アーミッシュの人たちは孤立して過ごしているわけではなく、必要なものは一般のお店で購入したり特産品を販売したりと必要最小限の一般社会との接点は持っているようです。


アーミッシュの子供たちは16歳になると親もとから離れて一般社会で生活し、成人前にアーミッシュに戻るか、俗世間で暮らすかを選択できるそうです。ほとんどの子供たちがアーミッシュに戻ることを選択するそうです。考えさせられますね。



映画で関心を持ったアーミッシュの人々の暮らしに触れることで、自分たちの暮らしぶりを見つめ直すきっかけになると思います。お勧めです。
ランカスターから50㎞ほど離れたところには「ハーシー・チョコレート」で有名なハーシーの町があるので、あわせて訪れてみるのも楽しいです。


<映画情報>
刑事ジョン・ブック/目撃者(原題:WITNESS) 1985年
監督 ピーター・ウィアー
出演 ハリソン・フォード、ケリー・マクギリス
フィラデルフィア ~ 映画「フィラデルフィア」
次は1993年に公開された”エイズ罹患が疑われた途端不当解雇された弁護士が病状の悪化に対峙しながら偏見を覆すために戦う法廷ドラマ「フィラデルフィア」”の舞台となったペンシルヴェニア州のフィラデルフィアです。(1996年訪問)
フィラデルフィア中心部はフィラデルフィア国際空港から20㎞ほど走ったところにあります。
映画のオープニングではフィラデルフィアの市街地を空中から俯瞰でとらえた後、町中の風景や市民の皆さんが映し出されます。その中で町の象徴となっているのが「リバティベル(自由の鐘)」です。



この鐘はアメリカがイギリスからの独立を宣言した時に鳴り響いたということで、アメリカ建国のシンボルとなっています。「リバティベル」という名前は1830年代に奴隷廃止運動の象徴としてつけられたそうです。

この映画の舞台やタイトルがフィラデルフィアとなったのは、こうした植民地支配や奴隷制度からの解放運動の拠点であったことがゲイやエイズへの偏見に対する戦いの場に相応しいからと言われています。
また、市街地の風景でひときわ目立つのが市庁舎タワーです。


先ほどの「リバティベル」の展示されているエリアは独立記念国立歴史公園となっており、アメリカ建国に関わる建物や展示が見られます。






映画のオープニング・シーンの町の風景とブルース・スプリングスティーンの歌う主題歌がとてもよくマッチして印象深いです。この町の歴史等を体感した後で映画を鑑賞するとより味わい深いかもしれません。
<映画情報>
フィラデルフィア(原題:PHILADELPHIA) 1993年
監督 ジョナサン・デミ
出演 トム・ハンクス、デンゼル・ワシントン
ワシントンD.C. ~ 映画「リンカーン」
次は2012年に公開された”南北戦争末期から暗殺されるまでの最後の4か月間の奴隷制度廃止を盛り込んだ憲法13条修正に取り組む大統領の姿を描いた「リンカーン」”の舞台となったアメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.です。(1991、96年訪問)
ワシントンD.C.の中心エリアへはワシントン・ダレス国際空港から40km走ったところになります。
リンカーンはアメリカで最も愛されている大統領の一人で、ワシントンD.C.でもリンカーン記念堂に巨大な坐像が設置されています。




映画のオープニングで、この「ゲティスバーグ演説」を若い黒人兵士がリンカーンの前で引用して話す場面が印象的です。
リンカーン記念堂の真正面には「リフレクティング・プール」と呼ばれる人工池が広がり、その向こうにはワシントン記念塔や議会議事堂が見えます。この広場で有名なキング牧師による”I Have a Dream”の演説が行われました。

映画の中での憲法修正に向けた議会との駆け引きの物語は大統領の住まいであるホワイトハウスと連邦議会の場である議会議事堂で主に展開していきます。




内部は撮影禁止でしたが、実際に使用されている部屋とかも見学でき見応えがありました。近年では国際情勢が変化しており、内部見学には事前手続きが必要なようです。
映画の主要テーマである合衆国憲法13条の修正案は、この議会議事堂で可決され成立します。

こちらも内部見学ツアーに参加しました。


リンカーンは暗殺されて最後を迎えます。その現場がワシントンD.C.内の「フォード劇場」です。





映画のラストシーンは、この家で息を引き取ったリンカーンの姿に2期目の大統領就任演説が重なった場面です。偉大な政治家の言葉の力を痛切に感じることができ印象的です。
映画には登場しませんが、映画のオープニングで引用された「ゲティスバーグ演説」の舞台となった南北戦争最大の激戦地ゲティスバーグはワシントンD.C.から北へ130kmほど走ったところにあります。



<映画情報>
リンカーン(原題:LINCOLN) 2012年
監督 スティーブン・スピルバーグ
出演 ダニエル・デイ=ルイス、トミー・リー・ジョーンズ、サリー・フィールド
フロリダキーズ ~ 映画「トゥルーライズ」
最後は1994年に公開された”妻や娘にも身分を隠しながらテロリストと戦うスパイの姿をコメディタッチで描くアクション映画「トゥルーライズ」”のクライマックスシーンの舞台となったフロリダ州南部の列島フロリダキーズです。(1990年訪問)
フロリダキーズ南端のキーウェストまでマイアミ国際空港から250kmの道のりです。
フロリダキーズでのシーンは核兵器を持ったテロリスト達と戦いつつ連れ去られた妻を救出するために海に架かった「セブンマイルブリッジ」を戦闘機のミサイルで破壊するというものです。




映画の中で爆破される設定の橋はこちらの古い方の橋です。



橋の爆破シーンはミニチュアとの合成で撮影されましたが、爆破後の橋はこうした実際に壊れた部分を使用して撮影されました。


映画は「ターミネーター2」のコンビ、ジェームズ・キャメロン監督・アーノルド・シュワルツェネッガー主演で当時世界最高額の製作費をかけて作られた無条件に楽しめる映画です。映画の世界をイメージしながらセブンマイルブリッジを走るとさらに爽快な気分になれると思います。
セブンマイルブリッジ上の自動車道はアメリカの国道US-1号線となっていて、カナダ国境から約3,850km続いてアメリカ最南端の島キーウェストで終点となります。



キーウェストはアメリカ最南端の島というだけでなく、ヘミングウェイが愛した場所としても有名です。



<映画情報>
トゥルーライズ(原題:TRUE LIES) 1994年
監督 ジェームズ・キャメロン
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェイミー・リー・カーティス
コメント