皆さんも自分の好きな映画やドラマの世界に入り込んで主人公の気分を追体験したいと思ったことはありませんか?
好きな映画の舞台やロケ地を巡ってそうした気分を味わうことは個人旅行でしかなかなかできません。
これまでも旅行を計画するときのメインテーマの一つとしてきました。そうした中でも特に印象に残った場所をエリア別に紹介する5回目です。

今回はヨーロッパ北部での訪問記を紹介します。数多くの映画の舞台となったところでもあります。

ヘルシンキ ~ 映画「かもめ食堂」
最初は2006年に公開された”北欧の小さな食堂を舞台に、3人の日本人女性のゆったりとした交流をほのぼのと描いた映画「かもめ食堂」”の舞台となったフィンランドの首都ヘルシンキです。(2013年訪問)
主人公サチエがヘルシンキ市内にオープンさせる小さな食堂が「かもめ食堂」です。ロケ地として使用されたのが「Kahvila Suomi(カハヴィラ・スオミ)」という名のフィンランドの家庭料理レストランです。





外観は映画の世界でしたが、レストランとしては地元密着の店のようでした。但し、映画の公開以降は日本からのお客さんがたくさん訪れていたようです。
「Kahvila Suomi(カハヴィラ・スオミ)」は2015年にオーナーの引退により閉店となりましたが、その跡を継いだ日本人オーナーの方が日本食レストラン「Ravintola KAMOME(かもめ食堂)」をオープンされて、より映画の世界が再現されているようです。
サチエが日本から来たミドリに出会って二人で”ガッチャマンの唄”を歌ったのが「アカデミア書店」の中にある「カフェ・アアルト」です。


その他の街角の風景も映画に断片的に登場します。








映画のゆったりとした世界観もヘルシンキという街の雰囲気とあわさって成立しているんだなと実感できました。お勧めです。
パリ① ~ 映画「アメリ」
次は2001年に公開された”空想に浸ることが好きな女性アメリの日常と恋を斬新な映像とブラックユーモアと共に描いた映画「アメリ」”の舞台となったフランスのパリ・モンマルトル周辺です。(2012、14、17、18年訪問)
主人公アメリが働いていたカフェで、様々な登場人物の人間模様が描かれる「Café des Deux Moulins (カフェ・デ・ドゥー・ムーラン)」です。


アメリの好きな「クリームブリュレをスプーンで割って食べる」は今でもたくさんのお客さんが行っているようです。
アメリの住んでいるアパートの1階にあるのが八百屋の「コリニョンの店」です


アパート最寄りの地下鉄駅「アベス(Abbesses)」です。この駅でアメリはニノと出会い恋に落ちます。


モンマルトルの丘の上にある街のシンボルとなる建物「サクレ・クール寺院」も映画の主要舞台です。




ニノが展望台の望遠鏡でアメリの行動を観察したり、アメリがサンピエール広場の公衆電話からニノを誘導する場面が印象に残っています。
ニノが趣味の捨てられている証明写真を拾い集めていたのが「パリ東駅」です。



「パリ北駅」はアメリが田舎へ帰る時に乗車する列車が発着する駅です。

アメリが小石を投げて水切りをしていたのが「サン・マルタン運河」です。




サン・マルタン運河はいつ散策してものんびりした気分になれる楽しい場所で、私たちのお気に入りです。
子供時代のアメリがお母さんと訪れ、そこでお母さんが亡くなってしまう場所がパリの代表的な観光スポットが「ノートルダム大聖堂」です。


この映画では登場する店や駅の多くが実在することもあり、パリの下町を巡ると映画の世界がそのまま体感できます。ぜひ巡ってみてください。
<映画情報>
アメリ(原題:LE FABULEUX DESTIN D’AMELIE POULAIN) 2001年
監督 ジャン=ピエール・ジュネ
出演 オドレイ・トトゥ、マチュー・カソヴィッツ
パリ② ~ 映画「ミッドナイト・イン・パリ」
次も2012年に公開された”1920年代のパリにあこがれる作家志望のアメリカ人脚本家がタイムスリップして芸術家たちと巡り合う奇跡の日々を文化を理解しない現代人に対する皮肉を交えて描いたファンタジー映画「ミッドナイト・イン・パリ」”の舞台となったフランスのパリです。(2012、14、17、18年訪問)
映画のオープニングはパリの名所を順番に映し出していきます。










ジャズの調べにのせて流れていくパリの風景はセンスがよく撮影されており、とてもオシャレなシーンです。
主人公ギルと婚約者イネスが訪れていたのが、モネが「睡蓮」を描いたことで有名なジヴェルニーです。

パリで出会ったイネスの大学の先輩ポールが薄っぺらい博学ぶりを美術館で披露します。



アレン監督は、文化に興味を持たない人と表面上の知識で物事を語るエセ文化人を徹底的に皮肉っています。
ギルがタイムスリップするために車に乗り込むのがカルチェラタンの「サンテティエンヌ・デュ・モン教会」の前です。
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タイムスリップ後にあこがれの芸術家たちに会う場所は現在でも存在しています。


ギルの新しいロマンスを予感させるラストシーンに使われるのが「アレクサンドル3世橋」です。


とにかくパリの魅力を前面に押し出した映画です。「行ってから見るか、見てから行くか」どちらでも楽しめると思います。
<映画情報>
ミッドナイト・イン・パリ(原題:MIDNIGHT IN PARIS) 2012年
監督 ウディ・アレン
出演 オーウェン・ウィルソン、レイチェル・マクアダムス
ヴェルサイユ ~ 映画「マリー・アントワネット」
次は2007年に公開された”14歳でフランス王室に嫁いだ悲劇の王妃マリー・アントワネットが異国で必死に生きていく激動の人生をポップな色彩で描いた映画「マリー・アントワネット」”の舞台となったフランスのヴェルサイユです。(2012、18年訪問)
ヴェルサイユ宮殿には主人公マリー・アントワネットの肖像画が残されています。


映画の撮影は実際のヴェルサイユ宮殿で行われており、その豪華絢爛さが描き出されています。









内部はあまりにも豪華で、いくら王族の宿命と言ってもここで生活していくのは息苦しいだろうなと感じました。まして異国から嫁いできたマリー・アントワネットは風習やしきたりの違いも含めて様々な思いがあったと推察されます。
マリー・アントワネットが安らぎを求めて暮らしたのが宮殿内に作らせた離宮「プチ・トリアノン」です。






ヴェルサイユの豪華さと比較するとシンプルなデザインで統一されていますが、これだけのものを人工的に作るのにも莫大な予算が必要でした。こうした積み重ねが苦しんでいた民衆の反感を増幅し、やがて革命に結びついたと思われます。
映画ではフランス革命を通した悲劇的な結末は描かず、マリー・アントワネットとルイ16世がヴェルサイユを離れる場面の後に象徴的なワンショットを加えて終わっています。




映画の時代考証をあまり考慮しないポップな映像での描き方は好みが分かれると思いますが、実物のヴェルサイユの圧倒的な豪華さを見てみるとこういう描き方も悪くないという気がしてきます。
<映画情報>
マリー・アントワネット(原題:MARIE ANTOINETTE) 2006年
監督 ソフィア・コッポラ
出演 キルステン・ダンスト、ジェイソン・シュワルツマン
モン・サンミシェル ~ 映画「ラストコンサート」
次は1976年に公開された”不治の病に冒された少女が、親子ほど年の離れた落ちぶれたピアニストの再起に残された日々を賭ける姿を描いたロマンス映画「ラストコンサート」”の舞台となったフランスのモン・サンミシェルです。(2012年訪問)
映画のオープニングとラスト・シーンに出てくるのがフランスの有名な観光スポット「モン・サンミシェル」です。ここで主人公ステラとピアニストのロバートは出会いパリに向かいます。





有名な観光地なので訪れる人も多かったですが、島に入ってしまうとゆったりとした気持ちで巡ることができました。
映画には登場しませんが、モンサンミシェルのあるノルマンディー地方とパリの間には訪れる価値のある場所が点在しています。




パリ到着後のシーンには市内の名所が度々登場します。






薄幸の美少女の悲恋というありがちな設定ですが、公開当時はテーマ曲とともに大ヒットしました。映画と切り離しても訪れて損のない場所なので是非行ってみてください。
<映画情報>
ラストコンサート(原題:THE LAST CONCERT[STELLA]) 1976年
監督 ルイジ・コッツィ
出演 リチャード・ジョンソン、パメラ・ヴィロレッジ
ロンドン ~ 映画「ブリジット・ジョーンズの日記」
次は1972年に公開された”32歳独身女性の恋と仕事に奮闘する毎日を等身大に描くコメディ映画「ブリジット・ジョーンズの日記」”の舞台となったイギリスのロンドンです。(1982,2011年訪問)
映画の舞台となったのはロンドンの中心地のテムズ川沿いです。

この橋から川沿いをロンドン橋方面に歩いていくと主人公ブリジットが暮らしているエリアになります。




ブリジットはこの界隈で「日記をつけ、タバコと酒を控えめにし、ダイエットして恋人を見つける」という目標に向かって失敗を繰り返しながら進む姿に親近感が持てます。
ブリジットの妄想の中で”Go! Bridget!!”と掲示板に表示される舞台が「ピカデリーサーカス」です。



映画には登場しませんが、ロンドンには他にも見所がたくさんあります。






映画は日本でも大ヒットしましたが、映画を抜きにしてもロンドンは巡る価値はあると思います。
<映画情報>
ブリジット・ジョーンズの日記(原題:BRIDGET JONES’S DIARY) 2001年
監督 シャロン・マグアイア
出演 レニー・ゼルウィガー、コリン・ファース、ヒュー・グラント
バイエルン ~ 映画「ルートヴィヒ/神々の黄昏」
最後は1972年に公開された”19歳の若さでバイエルン国王となり40歳で謎の死を遂げたルートヴィヒ2世の波乱に満ちた生涯を描いた映画「ルートヴィヒ/神々の黄昏」”の舞台となったドイツのバイエルン地方です。(2002年訪問)
映画の撮影はルートヴィヒ2世が夢を乗せて作ったいくつかの城で行われました。これらの城はドイツのロマンチック街道の終点にあります。

中でも有名なのが「ノイシュバンシュタイン城」です。



ディズニーランドのシンデレラ城のモデルになったといわれる城の姿はおとぎの世界そのものです。またこの城は王が心酔していた作曲家ワーグナーの世界観を具現化した城とも言われています。


城の内部は撮影禁止で紹介できませんが、お金をかければここまでのことが出来るんだと感心したりあきれたりというほど豪勢なものでした。一見の価値ありです。
唯一撮影が許された城のバルコニーから父マキシミリアン2世が住んでいたホーエンシュヴァンガウ城が見下ろせます。


舞台となったもう一つの城が「リンダーホーフ城」です。

映画にはオーストリアのエリザベート皇后がルートヴィヒ2世の幼なじみで初恋相手として描かれます。


”シシィ”の愛称で人気の高かったエリザベート皇后ですが、宮廷の暮らしは苦痛だったようです。最後は暗殺されるという、ルートヴィヒ2世と同様波乱万丈な生涯でした。




映画はルートヴィヒ2世が作曲家のワーグナーに肩入れしすぎたり、エリザベートの妹との結婚がうまくいかなかった等をきっかけに夢と浪費の世界に入り込んで破滅に向かう姿が描かれています。完全版は4時間の大作なので不用意には鑑賞はお勧めしませんが、ゆかりの地は巡る価値十分です。
<映画情報>
ルートヴィヒ/神々の黄昏(原題:LUDWIG) 1972年(2016年:完全復元版)
監督 ルキノ・ヴィスコンティ
出演 ヘルムート・バーガー、ロミー・シュナイダー
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