皆さんも自分の好きな映画やドラマの世界に入り込んで主人公の気分を追体験したいと思ったことはありませんか?
好きな映画の舞台やロケ地を巡ってそうした気分を味わうことは個人旅行でしかなかなかできません。
これまでも旅行を計画するときのメインテーマの一つとしてきました。そうした中でも特に印象に残った場所をエリア別に紹介する6回目です。

今回はヨーロッパ中部・南部での体験を紹介します。こちらも多くの名作映画の舞台となったところでもあります。

ザルツブルク ~ 映画「サウンド・オブ・ミュージック」
最初は1965年に公開された”ナチス台頭の時代を背景に、修道女見習いのマリアとトラップ家の親子が歌の力で結ばれていく実話をもとにした傑作ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」”の舞台となったオーストリアのザルツブルグです。(2002年訪問)
映画のオープニングで雄大な自然の中で主人公マリアが歌うシーンが撮影された「ザルツカンマーグート」は標高500〜800メートルの高地で、大小数多くの湖水が点在しています。


モント湖畔の街モントゼーには主人公マリアとトラップ大佐の結婚式シーンが撮影された教会があります。

湖畔にはその他にも小さな街が点在しています。




映画のように空中からダイナミックに撮影された光景は見れませんが、美しい自然や可愛い街並みが私たちを映画の世界に導いてくれます。
映画のオープニング・クレジットではザルツブルグ旧市街の街並みが映し出されていきます。


最も有名な「ドレミの歌」の撮影は「ザルツカンマーグート」でスタートし、旧市街に移動していきます。


終盤のマリアと子供たちが歌い踊るシーンは美しいミラベル宮殿の庭園で撮影されました。




映画のシーンそのままの美しい庭園ですが、もとは大司教が愛人を住まわせるために作られたということなので少し複雑な気持ちにもなります。

ザルツブルクは映画以外にもモーツアルトの生誕地としても有名です。



映画の中で歌われる曲も含めて世界的に有名な作品なのでご覧になられた方も多いと思います。この作品が好きな方にとっては、映画の中の風景がそのまま楽しめるお勧めの旅先です。
<映画情報>
サウンド・オブ・ミュージック(原題:THE SOUND OF MUSIC) 1965年
監督 ロバート・ワイズ
出演 ジュリー・アンドリュース、クリストファー・プラマー
ウィーン ~ 映画「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」
次は1989年に公開された”旅の途中で自殺しようとしたところを助けたサラリーマン兵馬とウィーンを旅することになった寅次郎が美人観光ガイド久美子に恋するというシリーズ第41作の映画「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」”の舞台となったオーストリアのウィーンです。(1982、2002、19年訪問)
寅次郎は兵馬の夢であった「ウィーン旅行」を「湯布院旅行」と勘違いして同行を了解します。しかし間違いだと気づき同行を断り成田空港まで兵馬を見送りに行きますが、説得され結局ウィーンに向かいます。

ウィーンに到着後、兵馬はウイーンに興味を持たない寅次郎を無理やり連れだしてウィーンの観光スポットを巡ります。





全く興味の持てない寅さんはこのモーツアルト像の前で兵馬と別れ、ベンチに座っている地元のおばさんとドイツ語と日本語での不思議な会話を成立させます。
寅次郎と別れた兵馬は庭園の向い側にある庭園の「美術史美術館」に向かいます。




一方、庭園を出た寅次郎は観光ガイドの久美子と出会い一緒にバスで市内を巡ります。






寅次郎がドナウ川のほとりで久美子の日本に帰りたいという悩みを聞くシーンがあります。


ドナウ川のほとりで寅次郎が「大利根月夜」を歌い、「どこの川の流れも同じだなぁ、海に出ると俺の故郷とつながっているんだ。」と故郷の江戸川と絡めて話すシーンは印象的です。
余談ですが、映画には所々のシーンや音楽に「第三の男」へのオマージュが取り込まれています。

結局、久美子はウィーンに残り寅次郎は兵馬とともに柴又へ帰ります。


寅次郎がマドンナに恋して最後は実らずに終わるという王道の展開ですが、ウィーンの観光案内としてみても主要なスポットを網羅しているので映画をみて訪問すると楽しみも増幅すると思います。
プラハ ~ 映画「ミッション:インポッシブル」
次は1996年に公開された”往年のテレビドラマ「スパイ大作戦」を映画化したトム・クルーズ主演のスパイアクション映画シリーズの第1作「ミッション:インポッシブル」”の舞台となったチェコのプラハです。(2019年訪問)
映画の最初に主人公ハントたちが侵入するアメリカ大使館の外観として使われているのがプラハの中心を流れるヴルダヴァ川(ドイツ語でモルダウ)沿いの「リヒテンシュタイン宮殿」です。

但し、大使館内部の撮影はプラハ国立博物館が利用されたようです。



このヴァーツラフ広場こそ、チェコが社会主義国家から民主国家になる過程で1968年の「プラハの春」、1989年の「ビロード革命」という大きな出来事の舞台になったところです。


映画の話に戻って、ハントの仲間のフェルプスが川に落下する場面が撮影されたのが観光名所「カレル橋」です。


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裏切り者の濡れ衣を着せられたハントがレストランの水槽を爆破して飛び出した場所が「旧市街広場」です。


第1作では使われませんでしたが、第4作「ゴースト・プロトコール」ではプラハ城が撮影に使用されています。



映画のロケ地以外にもプラハには見所がたくさんあります。
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映画のロケはプラハ以外ではロンドンでも行われました。


映画はテレビシリーズと異なるコンセプトで描かれていましたが、それでも現在まで続編が作られる人気シリーズとなるだけあって面白いです。また、プラハは映画と切り離しても文化的にも歴史的にも魅力的な街です。是非訪れてみてください。
<映画情報>
ミッション:インポッシブル(原題:MISSION: IMPOSSIBLE) 1996年
監督 ブライアン・デ・パルマ
出演 トム・クルーズ、ジョン・ヴォイト、エマニュエル・ベアール
ヴェネツィア ~ 映画「旅情」
次は1955年に公開された”独身アラフォーアメリカ人女性の憧れの欧州旅行で知り合った男性とのひと夏の切ないロマンスと有名なラストシーンでの別れを描いた傑作メロドラマ映画「旅情」”の舞台となったイタリアのヴェネツィアです。(1982、98年訪問)
主人公ジェーンが期待に胸を膨らませながらヴェネツィアに到着するシーンと有名なラストの別れのシーンに登場するのが「ヴェネツィア・サンタルチア駅」です。

この駅を出ると目の前にはヴェネツィアを象徴する運河があり、船に乗って街の中心地に向かいます。



街の中心地に到着すると早速ヴェネツィアらしい光景が広がっています。

ジェーンは周りがカップルばかりなので少し寂しさを感じつつも一人で精力的にヴェネツィアの街巡りをします。







一人での観光に物足らなさを感じていたジェーンは、サンマルコ広場のカフェで地元の男性レナートと出会います。
ヴェネツィア1番の観光スポットである広場はいつもたくさんの観光客で賑わっています。






映画にも登場する有名な観光スポットとして「リアルト橋」があります。



映画自体ももちろん面白いですが、舞台としてのヴェネツィアはどこをとっても絵になる風景で一見の価値ありです。
<映画情報>
旅情(原題:SUMMERTIME) 1955年
監督 デヴィッド・リーン
出演 キャサリン・ヘプバーン、ロッサノ・ブラッツィ
ローマ ~ 映画「ローマの休日」
次は1953年に公開された”ヨーロッパ周遊中の王女が滞在中のローマで大使館を脱出し、偶然出会ったアメリカ人新聞記者と1日だけのラブストーリーを繰り広げる傑作ロマンス映画「ローマの休日」”の舞台となったイタリアのローマです。(1982、83年訪問)
映画のオープニングのタイトルシーンに映し出されるのがバチカンにあるサンピエトロ広場です。


主人公のアン王女は束の間の自由を求めて滞在先の大使館をトラックの荷台に乗って抜け出します。そのロケ地となったのが「バルベリーニ宮殿」です。

睡眠薬を飲んだまま抜けだした王女は車を降りた後、眠りそうになるところで新聞記者ジョーと出会います。その背景となっていたのが「フォロ・ロマーノ」の遺跡です。


アン王女とジョーはお互いの素姓を隠してローマの名所を巡ります。






この階段にくると王女のまねをしてジェラートを食べたいところですが、2012年からは環境保全のために飲食禁止となりました。(2019年には階段に座ることも禁止されました。)
スクーターに乗った2人が警察に止められるのが、「ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂」の前です。



ジョーが手を入れて出すときに手を隠してアン王女を驚かす場面は印象に残るs-ンですね。訪れた人は必ず映画のように手を入れてみたくなりますよね。
アン王女が追手に対して大暴れする船上パーティが開かれたのが「サンタンジェロ城」の前のテベレ川です。


映画は誰でも知っているような名作ですが、実際のローマの街も映画に負けず劣らず見所満載です。
余談ですが、映画の原題の”ROMAN HOLIDAY”は忠実に訳すと「ローマ人の休日」ということで奴隷同士の格闘などを休日に楽しむ古代ローマ人を皮肉って「他人の犠牲にして利益や楽しみを得ること」という比喩になっているそうです。製作当時の時代背景も含めて、この映画がどうしてそういうタイトルになったかを考えてみるのも面白そうですね。
<映画情報>
ローマの休日(原題:ROMAN HOLIDAY) 1953年
監督 ウィリアム・ワイラー
出演 オードリー・ヘプバーン、グレゴリー・ペック、エディ・アルバート
ヴェローナ ~ 映画「ロミオとジュリエット」
次は1968年に公開された”シェイクスピアの戯曲を原作に中世イタリアの敵対する一族の若い男女の激しい恋と悲しい結末を描いた名作ロマンス映画「ロミオとジュリエット」”の舞台となったイタリアのヴェローナです。(1998年訪問)
映画オープニングのタイトルバックにヴェローナの街が映し出されます。

映画の撮影はヴェローナ以外で行われましたが、街自体は物語の時代の雰囲気を色濃く残しています。最初のファーストシーンでモンタギュー家とキャピュレット家の若者同士が喧嘩する市場の場面は「エルベ広場」が連想されます。


街で物語の舞台として最も有名な場所が「ジュリエットの家」です。



「ジュリエット像の右胸に触ると幸せが訪れる。」と言われている関係か、像の右胸が光っており触れようとする人の行列が絶えません。バルコニーも有名なロミオとの逢引きのシーンを思い起こさせ、物語の世界に浸れます。






映画公開当時は大変な話題となり、特にジュリエット役のオリヴィア・ハッセーの日本での人気は特筆すべきものがありました。ヴェローナの街は物語の時代の雰囲気を漂わせていて、実際に撮影が行われていなくても映画の世界に入り込めます。
<映画情報>
ロミオとジュリエット(原題:ROMEO AND JULIET) 1968年
監督 フランコ・ゼフィレッリ
出演 オリヴィア・ハッセー、レナード・ホワイティング
バルセロナ ~ 映画「それでも恋するバルセロナ」
最後は2008年に公開された”恋愛に対する価値観の異なる独身アメリカ人女性二人が訪れたスペインで出会った画家と彼の元妻を含めた四角関係を描いたでロマンチックコメディ映画「それでも恋するバルセロナ」”の舞台となったスペインのバルセロナです。(2013年訪問)
映画は主人公ヴィッキーとクリスティーナがバルセロナの名所を観光するシーンで始まります。最初に登場するのがバルセロナ観光のハイライト「サグラダ・ファミリア」です。



次に訪れたのがこちらも有名な「カサ・ミラ」です。


主人公二人がスペイン人画家フアンと出会った後に再会するのが「グエル公園」です。




ウッディ・アレンのアメリカ以外を舞台にした映画では有名な観光スポットが物語に取り込まれていて、ストーリーを楽しみながら名所巡りをしているような気分になれます。
その後も様々な観光名所が映画のシーンに登場します。




映画の撮影場所にはなりませんでしたが、バルセロナ周辺にはまだまだ見所が多くあります。







映画の方は男女間の機微が日本人の感覚と違っていて共感しにくい部分もありますが、バルセロナという街の魅力はうまく表現できていると思います。
<映画情報>
それでも恋するバルセロナ(原題:VICKY CRISTINA BARCELONA) 2008年
監督 ウディ・アレン
出演 スカーレット・ヨハンソン、ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス
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